2022.5.25

子どもの性別違和に気づいたら?子どもの心を守るために必要な知識と行動は

もし、子どもが性別違和を感じていたら?親はどうしてあげたら良いの?

こんにちは!「志木と朝霞のママさんを応援!」ステキライフ編集部です♪

男の子なのに女の子のような遊びをする子もいれば逆に、女の子なのにスカートを嫌がってパンツばかりはく子もいます。

「あれ?うちの子は、持って生まれた性に違和感を持っているのかな」と感じたら、親はどうしてあげたら良いのでしょうか。

昔は、「男の子なんだから男の子らしくして!」「女の子は、スカートをはくのが普通でしょ」と決めつけて身体的な性に沿うように内面を変えていくような教育をしていくのが一般的でしたが、今では、いろいろな価値観や性への認識を持つ多様性が認められるようになってきました。

とはいっても、まだまだ差別にもつながる性別違和...。もし、自分の子どもが性別違和を感じていたら、親として子どもの心を守るために知っておくべき知識や取るべき行動はあるのでしょうか。

今回のステキライフでは、子どもの性別違和に気付いたときに親が理解しておくべきことを解説します。

「うちの子は違うかな」と思うのではなく、子どもの友達に性別違和を持つ子がいるかもしれません。

そんなときにも、正しい対処ができれば、子どもとその友達の心を守ることができるかもしれませんよ。

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性別違和ってなに?

「性別違和」という言葉は、あまり聞いたことがないというママでも「性同一性障害」という言葉を知っているのではないでしょうか。

性同一性障害とは、持って生まれた身体的な性と心の性が一致しない状態のことをいいますが、「障害」という言葉ばかりが強いイメージを与えてしまうことから、アメリカを中心に「性別違和」という名前に代わってきています。

つまり、性別違和とは、体の性と心の性が一致しない状態のことをいうのです。

体と心の性は、一般的に一致していることが多いですが、性別違和では、身体的な性に違和感を持っているので、今の日本で自分らしく生きることはとても大変なことだと思ってしまいます。

そのため、どのようなサポートをすれば良いのか悩んでしまいますが、子どもの頃に性別違和を持っていたとしても、それが大人になるまで続くとは限りません。

医学的にいうと、子どもの性別違和と大人の性別違和は、診断基準が違います。

したがって、小さい子どもの性別違和の場合は、身体的な治療ではなく精神的なサポートがメインとなりますが、青年期になっても見られる性別違和は、大人の性別違和と同様と考えられるので、身体的な治療も考えていく必要があります。

子どもの性別違和は年齢によって対応方法が変わる可能性もある

自分の性が違うかもしれないと自覚する年齢は、個人差があるので一概にいえませんが、あるアンケートによると、中学生までに性別違和を自覚したという人が多いという結果が出たそうです。

しかし、性別違和は、個人差があるので、小学校のとき性別違和に感じる子もいれば、高校生になって違和感を覚える子どももいます。

また、性別違和を自覚する内容も「スカートをはきたい」「女の子(男の子)の水着を着たくない」などと訴える子もいれば、服装や容姿にこだわらない子どももいるので、年齢やその子の持つ性別違和によって対応方法が変わる可能性もあります。

【小学生】
小学校高学年までは、男女の区別があまりないため、それほど性別に違和感を持つこともありませんが、高学年になると学校内でも男女差がはっきりしてきます。

また、思春期が始まるので、性別違和の場合は、特に自分の体に対する違和感に戸惑うようになるかもしれません。

性別違和だと診断されても様子見になることが多く医学的な治療対象とはなりませんが、子どもが希望する性別に対して環境を整えてあげることが大切です。

治療を行わなくても、周囲の理解が深まれば、子どもの気持ちも落ち着いてくるでしょう。

【中学生】
中学生になると、私服よりも制服で登校することが多くなります。そのため、服装や髪型、トイレ、更衣室などで男女差がはっきり認識できる行動を取らざるを得ないので、嫌悪感を持つようになります。

また、第二次性徴に伴い、体の変化や性器に対する違和感、恋愛の悩みも出てくるようになるでしょう。インターネットなどで性別違和について調べることもできるので、余計にいろいろと悩んでしまい自殺や不登校になる場合もあります。

そのため、親は、子どもの性別違和を感じたら、自分の考えを押し付ける前に子どもの心と命を守る行動を取りましょう。

まず、性別違和の子どもに対して配慮してもらうように学校へ依頼し、子どもが安心して毎日を過ごせるようにすることが大切です。

公立の学校で対応はできるの?

性同一性障害に関して、社会生活上さまざまな問題を抱えている状況にあるので、治療効果を高め社会的な不利益を解消するために、性同一性障害の性別の取り扱いの特例に関する法律が2003年(平成15年)に制定されました。

これにより、文部科学省は、「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」を発出し、性同一性障害に係る児童生徒について、その心情などに十分配慮した対応を要請しました。

その結果、学校では、性同一性障害(性別違和)に係る生徒の支援として学校内外にサポートチームを作り、情報を共有しチームで対応することや医療機関との連携を図る取り組みを行っています。

具体的な支援内容として、自認する性別の制服や衣服、体操着の着用、職員用トイレ、多目的トイレの利用を認めたり、校内文書を児童生徒が希望する呼称、自認する性別として名簿上扱うなどの配慮を行っています。

このように、性別違和は、成長とともに変化する可能性もあるため、先入観を持たずに、子どもの状況や気持ちに応じた支援を行っていることがわかります。

親は子どもを一人の人間として見ることが大切

昔は「男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしく」振る舞うのが正しいとされていました。

しかし、今では、多様性が認められるようになり、自分らしく生きていくことが大切だと認識され始めています。

しかし、多様性が認められるようになっている現代でも、性別違和を抱えている人たちの生きづらさは変わらないのかもしれません。まだまだ世代や地域によって浸透率が変わります。それに価値観というのは大人になればなるほど変えるのは時間がかかるのです。

そんなときは、まず親が子どもを認めてあげることから始めてあげてください。

子どもを否定したりするのはもちろん1番してはいけないことです。ただ、悩んでいる子どもを見て自分を責めるのもしてはいけないことなのです。子どもは自分のことで親が悩んで自己否定をしている姿を見て、自分が親を苦しめていると、自分の存在を肯定できなくなり深く傷つきます。

ただ一人の自分と同じ人間だと認めるだけで良いのです。

一人でも自分を性別に関わらず人間として認めてくれる人がいることがわかれば、子どもの世界は、ずっと優しいものになるはずです。

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