2022.4. 6

成長期の子どもに多い!起立性調節障害

あまり聞いたことがない起立性調節障害って?うちの子がなったらどうするべき?

こんにちは!「志木と朝霞のママさんを応援!」ステキライフ編集部です♪

「急に子どもが朝起きられなくなった」「毎日、朝起きられず学校をさぼってる」「ゴロゴロしてばかりで頭にくる」と子どもが朝起きられずに学校へ行かないことで腹が立っているママもいるのではないでしょうか。

しかし、「朝起きられないのは、根性が足りない!」「さぼり癖がついた」と子どもを叱る前に起立性調節障害を疑ってみても良いかもしれません。

思春期の子どもに多く現れる起立性調節障害になると、本人が学校に行きたくても体が動かないということもあります。

今回のステキライフでは、親が理解してあげたい起立性調節障害について解説します。

6a0b7fa6e781cb8d9317051c64b880c6.jpg

起立性調節障害って?

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、思春期前後の子どもに多く見られ「朝、起きられない」「めまいがする」「午前中は体調が悪い」などの症状が現れます。

朝礼で具合の悪くなる子が、「ちゃんと食べていないからだ」「夜遊びしすぎだ」と先生にいわれることもありますが、実は、起立性調節障害なのかもしれません。

起立性調節障害は、怠け癖と思われてしまうこともありますが、自律神経のバランスが乱れることが原因のれっきとした病気です。

人は、起き上がると重力によって下半身に血液が溜まりますが、これを防ぐために自律神経の交感神経が興奮して下半身の血管を縮小させ心臓に戻る血液量を増やすことで血圧を維持しています。

しかし、自律神経が乱れてこの機能がうまく働かなくなると血圧が低下し脳への血流が減少するため、めまいや起きられない、動悸などのさまざまな症状が現れるようになるのです。

本人は、「ちゃんと起きて学校に行きたい」と思っていても体が動かないのでベッドでゴロゴロしていると「怠けている」「遊んでばかりいるからだ」と周囲が理解してくれず精神的にも辛い病気といえるでしょう。

起立性調節障害は、思春期の子どもに多く発症しますが、大人でもかかることがあります。

起立性調節障害の原因

自律神経の乱れは、ストレスなど精神的なものが多いとされています。

・精神的ストレス
起立性調節障害になってしまう子どもの多くは、精神的なストレスを抱えていることが多いといわれています。

精神的なストレスとは、自分がイヤだなと感じることや避けたいと思う感情のことをいいます。

思春期の子どもにとって精神的なストレスの原因の多くは、学校や家庭間の人間関係だとされています。自分が人間関係のトラブルに巻き込まれていなくても、周囲でいじめやケンカなどがあると少なからず影響を受けてしまいます。

・肉体的ストレス
ケガをして思うように体が動かせられない、成長期で体が変化しているとストレスを感じることがあります。筋肉の緊張など単純な身体的疲労でも人によっては精神的ストレスになってしまうことがあるでしょう。

しかし、ケガや疲労からくるストレスであれば休息をとる、治療を行うなどによって比較的簡単に改善できます。

・物理的ストレス
気候や気圧の変化などによって起こるのが「物理的ストレス」です。

人には、これらの変化に対応できる機能が備わっていますが、キャパシティーを越えてしまうと自律神経が乱れ起立性調節障害を起こしてしまうこともあります。

台風が来ると体調が悪くなる、春や夏になると具合が悪くなるという場合は、物理的ストレスからきているのかもしれません。

・身体的ストレス
栄養不足や過剰摂取、化学物質の副作用などによって起こるのが「身体的ストレス」です。

特に思春期の子どもは、無理なダイエットなどで必要な栄養が不足することもあります。逆にジャンクフードや甘いドリンクを摂りすぎてしまうこともあるでしょう。

偏った食生活によって自律神経が乱れると起立性調節障害になる可能性もあります。

・テクノストレス
あまり聞き慣れないテクノストレスとは、スマホやパソコン、ゲーム機などの普及によって注目されるようになったストレスの一種です。

特に、スマホなどから出るブルーライトは、交感神経が優位になってしまうので、生活リズムが乱れることもあります。

他にも、ゲームをやめられなくなる中毒症状、同じ姿勢を長時間とることもストレスになり精神的な病気を発症してしまうことも考えられます。

起立性調節障害の子どもの場合、朝が起きられないので学校に行かず、午後になると元気になるのでゲームをするなどの生活リズムの乱れから、さらに起立性調節障害が悪化することもあるでしょう。

どんな症状が現れるの?

起立性調節障害は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れて、血圧や心拍をコントロールするのが難しくなる病気です。

では、起立性調節障害になると、どのような症状が出るのでしょうか。

めまいや立ちくらみが起こりやすい
立っていると気持ちが悪くなり、ひどくなると倒れる
疲れやすく、疲れが取れにくい
少し運動しただけで息切れや動悸がする
朝、起きられない
イヤなことを見聞きすると気分が悪くなる
入浴中に気分が悪くなる
午前中は集中力や思考力が落ちる
午後は元気になる
顔色が青白い
食欲不振
ときどきおへその周辺が痛くなる
頭痛
乗り物酔いをするようになった

これらの症状が3つ以上、もしくは強い症状が2つ以上の場合は、起立性調節障害が考えられます。

起立性調節障害になったらどうするべき?

起立性調節障害の対処方法

ウオーキングやジョギングなど心拍数が120を超えない程度の軽い運動をする
立つときは、30秒程度かけてゆっくり立ち上がる
弾性ストッキングなどの着用で血圧低下を防止する
早寝早起き
気温の高い場所を避ける
1日約1.5~2リットルの水分補給と10~12グラムの塩分摂取を心掛ける
体調が悪くてもなるべく横にならない
体調が良いときは、なるべく通学・通勤をする
夜9時以降は、スマホやゲームなどを控える

これらの方法と共に薬物療法によって効果が出るので、まずは医師の診断を受けることが大切です。

起立性調節障害は、その症状から、「怠けている」と思われてしまい生活指導を厳しくしてしまいがちですが、そのことがさらに精神的な負担をかけてうつ病になってしまうこともあります。

病院に行くときは、起立性調節障害の知識を豊富に持つといわれている小児科医に行くことをおすすめします。

中学生や高校生になると小児科医に行くのは、少し抵抗を感じるかもしれませんが、起立性調節障害の書籍を執筆している医師のほとんどが小児科医です。

そして、できれば症状が現れている午前中の受診が推奨されています。大人の場合は、心療内科や循環器科での受診が良いでしょう。

学校にも理解してもらえないことが多い

起立性調節障害は、学校でもあまり知られておらず理解してもらえない病気といわれています。

本人は、学校に行きたいのに体が動かず休んでばかりいると、「根性が足りないからだ」「怠けているからだ」「やりたくないからでしょう」と周囲に決めつけられて、さらに学校に行きづらくなり、登校拒否になることもあります。

現に不登校児の3~4割程度が起立性調節障害だといわれています。

そのため、起立性調節障害になったら、学校側にも理解してもらえるように親の働きかけが必要となります。

医師の診断書などを持参して、病気を理解してもらうことから始めましょう。

大変かもしれないけれど親の理解が大切

起立性調節障害は、周囲から理解してもらえないことが多い病気です。

しかし、怠けているのではなく、病気で思うように体が動かないので辛い思いをしているのは、患者本人だということを忘れてはなりません。

周囲の理解を得られなくても、親が理解することで子どもの気持ちも楽になるでしょう。

もちろん、起立性調節障害は、病気なので症状にもよりますが、適切な治療を行えば3年後には7~8割程度の人が回復するといわれています。

少し時間がかかる病気ではありますが、症状を理解して病気に寄り添ってあげましょう。

親もイライラすることがあると思いますが、思うとおりにならなくて一番つらい思いをしているのは子どもなのです。

これからの暮らし
住み替え相談