2022.2.21

朝霞市が舞台⁈の小説『平場の月』が文庫化!映画化も決定!

「ちょうどよく幸せなんだ」...普通の人たちがいる平場で始まる大人の切ないラブストーリーの舞台が朝霞だった!

こんにちは!「志木と朝霞のママさんを応援!」ステキライフ編集部です♪

「平場の月」は、朝霞市在住の作家朝倉かすみ氏が書き下ろし、2018年に光文社から発売された大人の切ないラブストーリーで第161回直木賞の候補作品に選ばれました。

著者の朝倉氏が朝霞市に在住しているからか、平場の月は朝霞市や志木市でお馴染みの場所がたくさん登場します。

例えば、朝霞市民なら誰でも知っているアサカベーカリー南割公園だと思われる飛行機の骨組みがある公園など朝霞に住んでいる人や朝霞を知っている人にとっては、よりリアルに本の世界観を感じることができます。

今回は、朝霞や志木に住んでいる人にはぜひ読んでもらいたい「平場の月」を徹底解説しちゃいます!

9a28423aec713d5cbe48721a905dbe2e.jpg

平場の月のあらすじ(ネタバレを含みます)

物語の主人公はともに50歳の青砥健将と須藤葉子。この二人は中学の同級生で青砥が診察のために訪れた病院の売店で35年ぶりに再会するところから二人の時間が動き始めます。

青砥は、バツイチで実家に帰り母と二人暮らし、須藤は一回り上で酒乱だった夫と死別し、年下の美容師に入れ込み一財産を失い今は病院の売店勤務です。

青砥は、体に不調を覚え、病院で検査をしているときに売店の須藤と再会しますが、中学生の頃、須藤に告白してフラれた過去があります。

そんな二人は、「お互いいっぱいいっぱいになったら、無駄話をして元気になろう」と須藤からの提案で互助会を結成し、少しずつ距離を縮めていきます。

一方、青砥の検査結果は異常ありませんでしたが、須藤に進行性の大腸がんが見つかり病巣の摘出と人工肛門の増設手術、抗がん治療が始まります。

お見舞いを繰り返す青砥は、須藤への気持ちを深めていき、ついに二人は結ばれます。

しかし、須藤は、持ち前の根性を出してだれにも頼らず治療を続けていきましたが、薬の副作用が強く体が思うようにならなくなったときに青砥から「一緒に暮らそう」といわれ一緒に暮らすようになりました。

青砥は、このまま二人の時間が続くと思っていましたが、治療がひと段落した段階で須藤は一人暮らしに戻っていきます。

須藤の気持ちに寄り添う青砥は、来年の6月に一緒に温泉に行く約束をしてプロポーズもしましたが、須藤に断られ「もう一生会わない」といわれてしまいます。

そこで、青砥は一年間会わないけれど、一年後の6月に約束したとおり温泉に行こうと提案して距離を置きました。青砥にとってとても長かった一年が経ち、約束の日にレストランに現れなかった須藤。青砥は、他愛のないLINEを送ったり家に行ってみたりしたけれど、会うことは叶いませんでした。

実は、この物語は、須藤が亡くなったことが告げられるシーンから始まります。

須藤がすでにいないことを知った上で物語は展開していくのですが、二人の再会、距離を縮めていくエピソード、二人の過去、想いが綴られていくにつれて切なさがこみ上げてきます。

「平場」とは、普通の人がいる場所という意味です。普通の人が人生を重ねていく中で出会い、愛し合い別れる...どこにでもある普通の話ですが、その一つ一つが小さな宝石のように輝いているのです。

20代30代の頃にはわからなかった心の動きや感じ方、後悔、どんなに小さなことでも幸せだったことに気付く...

年齢を重ねたからこそすべてが愛おしく大切になる...ふと顔を上げたときに、明るい太陽ではなく、月のような優しい光で照らし寄り添えるような人になれるかなぁ...と、そんな気持ちにさせてくれる本がこの「平場の月」といえるでしょう。

平場の月の作者って

平場の月の作者である朝倉かすみ氏は、北海道武蔵女子短期大学卒業後、さまざまな職業を経験し30歳で小説を書き始めます。

39歳で結婚し40歳のときに第37回北海道新聞文学賞の受賞作品「コマドリさんのこと」でデビューしました。

作家としては少し遅咲きかもしれませんが、そこからはすごい快進撃です。

デビューの翌年である2004年に「肝、焼ける」第72回小説現代新人賞受賞、2009年「田村はまだか」第30回吉川英治文学新人賞、2017年「満潮」第30回山本周五郎賞候補、そして、「平場の月」第32回山本周五郎賞第4回北海道ゆかりの本大賞受賞第161回直木賞候補となっています。

長編から短編集、エッセイと多彩な作品を数多く執筆して多くのファンを魅了している作家である朝倉かすみ氏は、北海道出身ですが、現在は朝霞市に在住しているので、「平場の月」の舞台が朝霞市周辺となっているも頷けますね(^^♪

朝倉かすみ氏の本は、普通の人なのに、少し変な方向に行ってしまった物語や普通の人の恋バナなのにリアル...お酒の失敗談など、日常の中の小さな幸せや不幸を切り取ったストーリーが多く、「こんな人いるなぁ」「わかる!わかる!」と思いながらあっという間に読み終えてしまいます。

平場の月が映像化!

大人の切ないラブストーリー「平場の月」の映画化が決定しました!

キャストや公開日などは未定ですが、朝霞市のあちらこちらでロケが行われるのではないでしょうか。今から期待で胸がふくらみますね(*'▽')

朝霞市民はぜひ読んでみて!

小説「平場の月」は、朝霞市が舞台になっています。

平場と銘打っているだけあり、日本のどこにでもあるような場所で普通の中年男女の恋愛もの...と書いてしまうと身も蓋もありませんが、年齢を重ねて終わりが見えてきた男女だからこその切ない大人の物語です。

朝霞に住んでいると見慣れている光景や日常が、映画ではどのように切り取られているのか...今から楽しみですね。

そして、キャストも気になるところです。ぜひ、「平場の月」を読んで作中に出てきた場所を訪れたり自分なりのキャストを設定して楽しんでみてはいかがですか?平場の月マップもPCからダウンロードできますよ!

これからの暮らし
住み替え相談