2020.4. 3

我が子の"目"は大丈夫?深刻すぎる視力低下の今、知っておきたい基礎知識

デジタルネイティブ世代の目に起きていることとは?

こんにちは!「志木のママさんを応援!」ステキライフ編集部です♪

現代は視覚から得る情報がとても多い時代。スマートフォンに、PC、タブレット、TV、ゲーム......ついつい画面を見つめている時間も長くなりがちで、目を酷使しているなぁ~と感じることはよくありますよね(+_+)

そうした環境にあるのは、子どもたちも同じこと。そういえば最近、近視の子どもは増えている印象がありますし、スマホ老眼の子どもも......なんて、びっくりな報道も耳にします。

「うちの子の目は大丈夫なのか?」、「今からできる予防策は?」、「もし見えにくくなってきていたとしたら、親がしてあげられることはないのか」――考えるほどに心配もつのるところ、今回は放っておけない、子どもたちの"目"の問題に迫ってみました。

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子どもたちの裸眼視力が過去最低!

子どもの目が悪くなっているというのは主観的な印象の問題ではなく、すでに確実に現場の変化として起きている、深刻な社会問題のひとつなのだそうです。

文部科学省が2018年12月に発表した「平成30年度学校保健統計調査」によると、小学生~高校生の裸眼視力で1.0未満だった子どもが過去最高の割合を記録しました。幼稚園生では若干改善したものの、裸眼視力0.3未満の割合は、幼稚園~高校生までのすべてで最高値を更新しています。0.3未満というと、かなり見えにくい状態と考えられますが、その小学生の割合はここ30年ほどでなんと3倍以上に!

2018年の調査結果を具体的に引用すると、幼稚園ですでに26.69%の子どもが視力1.0未満、小学生で34.10%、中学生で56.04%、高校生では67.09%となっています。調査を開始した1979年以降、この割合はほぼ一貫して増え続けており、子どもたちの目は明らかに悪くなっているといえるでしょう。

一方で、コンタクトレンズや眼鏡による視力矯正を行っている小学生はというと、2018年調査で9.04%にとどまり、生活を送る上でも矯正の必要性が高いといえる0.7未満ながら、何もしていない子どもが13.56%との結果も出ています。

子ども自身が見えにくいとはあまりいわなかったり、親もまだ大丈夫かなと考えていたりすることが背景にありそうですが、そのままにしておいていいのか、やっぱりちょっと不安です。

なぜ起きる?原因は何?

そもそも見えにくさはなぜ起きるのでしょう?視力不良には、遠くが見えづらい「近視」と、遠くも近くも見えづらい「遠視」があります。日常生活で目を細めてモノを見ようとする傾向があったり、画面や対象物に極端に近づいたりしているなら近視、机の上の本など近距離を見るときに頭痛がするといった疲れや症状を訴えるようなら遠視と考えられます。

ほかに、画面に対して顔を斜めに向けるといった行動があれば、乱視の可能性を疑います。また片方の目だけが対象とは違う方向を向いているように見受けられるなら、「斜視」の場合もあります。

丸い眼球でスクリーンの役割をする網膜にピントが合っていれば、正視といって正常に視力が発揮されるのですが、この調整がうまくできなくなり、眼球が前後に伸びてピントのズレが生じるようになると「近視」に、逆に眼球の奥行きがそもそも短かったり、角膜や水晶体での光を屈折させる力が十分に働かないために網膜の後方へピントがずれてしまったりすると「遠視」になるとされています。

こうした問題が生じる原因としては、遺伝や遺伝子に起因するところがひとつには挙げられるものの、もうひとつの大きなポイントとして、生活環境や習慣があります。

画面を近くで見続ける、ノートをとるときなど深く前かがみになって近づきすぎている、こうした「近業」と呼ばれる行動は、近視の発症と深く関わっていて、子どもの場合、成長期ということもあり、とくに症状が進行しやすい、悪化しやすい傾向があると指摘されています。

中でもスマホや携帯ゲーム機にあるような小さな画面で、細かな動きを目で追い続けることによる負担は大きく、長時間になると悪影響が心配されます。

また、ちょっと意外なところでは、眠るときの部屋が明るすぎると、近視のリスクが上がるという報告もあるそうです。

できる予防は?視力不良に気づいたらどうする?

とはいえ、「ちょっと見えにくいくらい心配ない」、「どうしても困ったらそれからコンタクトや眼鏡で矯正すればいい」、大人で矯正している人は珍しくないだけに、他の身体の異常に比べると、そんなふうに軽く考えてしまうところもありますよね。

でも、本当は思う以上に怖いのが、この子どもの視力不良!放っておくと近視の進行が成長しても止まらず、網膜や視神経などに障がいが出て、矯正できないほどの視力低下や失明にいたることもあるのです。

また、近視で網膜が常に強く引っ張られた状態となると、網膜剥離や緑内障、黄斑部における病気も起きやすくなり、そこから失明する場合もあるのだそう。

さらに、遠視などでモノをはっきり見ることができないまま成長すると、目の機能そのものが発達せず、弱視になることがあるともいわれています。

"見え"にかかる負担は、積み重なると肩こりや頭痛、吐き気などの症状にもつながることが知られているので、全身の健康面から考えても、子どもの視力不良には、予防や早めの適切な対処が欠かせません!

視力低下を防ぐには、先の「近業」に注意するほか、屋外活動時間を増やすのが有効とされています。米国の調査では、両親とも近視の子どもで、小学生期の屋外活動が1時間未満では約60%が近視だったのに対し、2時間以上あると15%程度まで低下、片方の親のみが近視で2時間以上の屋外活動をしていた子どもと同程度のリスクにまで下がったそうです。

つまり、遺伝要素は一定以上あるものの、それ以上に屋外活動の時間は近視と深く関わっていて、太陽光を浴びながら遊んでいれば、かなりの予防効果が得られると考えられるのです。

スマホやゲームは時間を決めて長時間使い続けないようにし、普段からモノを見るときは正しい姿勢で、一定の距離を保つようにさせること、1日2時間以上・週14時間以上は太陽光のもとで過ごさせる、元気に外遊びをするよう促すこと――これらの方法が、子どもの目の健康を保ってくれるでしょう。

ちょっと疲れたんじゃないかな?と思うときは、温かいタオルを目に当てて休ませるようにしてあげたり、遠くと近くを交互に見る体操を一緒にやったりするのも効果的だそう☆毎日の生活の中で、気をつけてあげたいですね。

すでに見えにくい症状が出ているなら、放っておかず、早めに医療機関へ相談し、適切なコンタクトレンズや眼鏡での矯正を行うことが何より大切!あとあと困難を抱えさせないために、進行をできる限り止める行動をとりましょう。

いかがでしたか。子どもは成長が早い分、視力の問題が悪化するのも早い傾向にあります。ただでさえ負荷のかかりやすい現代の環境......それを遮断することはできませんから、賢く予防し、異変に気づいたら、早め早めで近くの眼科に相談するようにしましょう☆

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