妊産婦にやさしい環境づくりを目指す!
こんにちは!「志木のママさんを応援!」ステキライフ編集部です♪
妊娠・出産は家族にとって、また実際に産む女性にとって、人生を変えるものともなる、とても大きなライフイベント。これ以上ない喜びあふれるうれしいことも、どうにもできない大変なことも、いっぺんに押し寄せるような特別な時間ですよね。
とくに女性にとっては、妊娠中の体がどんどん変化していくことに自分でもついていけず不安になったり、一方で、なんとしてもこの子を守っていくんだ、早く会いたい!とこれまでにない強さを自分の中に発見して驚いたり、センシティブでデリケート、実にいろいろなことが起こるものです。
そんな妊産婦さんの暮らしをサポートするため、「マタニティマーク」というものがあります。「利用したよ!」という方や、現在進行形で使っている方もあるでしょう。2006年に誕生し、すでに10年以上が経過した「マタニティマーク」は、周囲に配慮を促し、やさしい環境づくりを推進するものとして、定着してきました。
ところが最近、ネット上で「付けるかどうか迷ってる」という声や「かえってトラブルが怖い」という声も目にするようになっています。もちろん有効に活用されている方もあります。しかし、思わぬトラブルもあり得ると知れば気になるところ(>_<)今、「マタニティマーク」に何が起きているのでしょうか。
今回は、そんなマタニティマークの最新事情と、あらためて知っておきたい取得・活用方法など基礎事項をまとめてご紹介します☆
マタニティマークってどんなもの?いつ、どこでもらう?
まず、マタニティマークとはどんなものなのか、確認しておきましょう。「マタニティマーク」は、身につけることにより、現在妊娠中、妊産婦であることを周囲に示せるもので、交通機関や飲食店、その他社会一般を利用する際の配慮を自然に促すことができるものとして導入されました。
とくに妊娠初期は、赤ちゃんの成長にとっても、ママの体の健康面でも、とても大切な時期ですが、周囲からはそのことが分かりにくいため、辛いのに電車やバスで席に座れなかったり、たばこの煙が流れてきて気になったり、困ることがたくさんあります。
そんな状況を改善しようと、厚生労働省が事務局を務める国民運動計画「健やか親子21」推進検討会で生み出されたのがマタニティマークで、保健所へ行くと母子手帳の交付とともに、このマークのチャームをもらうことができます。
自ら申告しなくとも、このチャームをバッグなど見えるところに付けておきさえすればよく、誕生したときは「なんて画期的!」「これはよさそう!」と私も感じたものです。最近では、母子手帳を提示しさえすれば、JRや私鉄の主要駅でもマークをもらえたり、ベースのデザインが広く提供されているので、自動車用のステッカーなど、用途に応じたものもさまざまに入手できたりするようになりました。
用途・シーンへの対応だけでなく、より自分らしく身につけやすい、キャラクター付きの可愛らしいものや、お守りを兼ねたもの、スマートなデザインのものなども登場し、充実してきたな~♪と感じられるようになってきています。
カフェのテーブルにマークがあったり、商業施設内にポスターが掲示されていたりと、認知度も確実に上がってきていることが、身近にも実感できますね。適切な配慮が自然に行われ、安全が確保されるような、やさしい社会づくり、環境づくりはとても大切なことです。
このように、とくに妊娠初期を重視した性質のものでもありますから、いつから付ければいいか迷われる方も少なくありませんが、病院で妊娠が確認されたら、それからすぐに付けてOK!厚生労働省のホームページからダウンロードし、通勤や健康診査で病院にかかる際などに使っていくこともできるようになっています。
付ける?付けない?なぜ?
さて、このように妊娠期間中の暮らしを助けてくれるマタニティマークですが、付けるか付けないかは自由意志に任されているので、もちろん利用しなくてもかまいません。Millyによる最新のアンケートでは、妊娠中にマタニティマークを付けたという人は84%で、残り16%の人は付けなかったと回答しています。
付けなかった人は、そもそも存在を知らなかったり、必要ないと判断したりした人ももちろんあると考えられますが、実はそれ以外の要因もあるようです。実際には使った人からも、付けるかどうか迷ったという声がみられていますので、なぜなのか調査してみました。
エコンテによるアンケートで、妊産婦以外の人に、マタニティマークを身につけている人に気づいたとき、どう感じるか尋ねた結果では、「サポートしてあげたい」が67.6%で多くを占めたものの、「なにも感じない」が29.6%、少数ですが2.8%は「不快に感じる」と回答しています。
不快に感じる具体的な理由では、「妊娠アピール、幸せアピールと感じる」、「席を譲れ、優先させろと上から目線」、「配慮を強要されているような気になる」といったものが挙がりました。
多くの人が好意的であっても、一部にこうした目があることで、その雰囲気を感じ取り、付けることをためらってしまう妊婦さんもあるようです。確かに外に出れば、さまざまな事情を抱えた人がいるもの。不妊治療に長く苦しんでいたり、子どもをもうけたくてももうけられない事情があったり、見えなくても内面に辛さを抱え込んでいる人も多いことを考えると、「態度がデカいとか、アピールとか、そんなふうにとられる可能性があるなら嫌だな・・・」とも思ってしまいますよね(-~-)
付けても何の状況も変わらなかったという方や、中には実際に思わぬトラブルに巻き込まれ、危険な目に遭ったという方もあるようです。具体的には、「席をどけというのか!」と酔っ払いにからまれた、そもそも出歩くなと暴言を吐かれた、にらまれたといったもの、より悪質なものでは「本当に妊娠してるのか?」と腹部をたたかれた、突き飛ばされそうになったといったものまでありました。こんな不快な思いや危険な体験をする羽目になるのでは、付けない方がいいとなってしまうのも無理はありません。
とはいえ、マタニティマークを付けたことで生まれた心あたたまるエピソードや、素敵な体験談も多く寄せられています。「スーパーで買い物をしたら、重たいかごをマークに気づいたレジの人が運んでくれた」、「年配の方にやさしい声をかけてもらった」、「降りるのに時間がかかっていたら、周囲の人が発車しそうになるバスを運転手さんに知らせて止めてくれた」、「ウェルカムドリンクを何も言わずシャンパンからソフトドリンクに替えてくれていた」など、ささやかですが周囲の気配りがありがたかったという声が多いですね♪
緊急時の備えにも!安心して付けられる社会のために
マタニティマークにこうした付けて良かったこと、悪かったことの両方があると知った結果、あえて付けない選択をする妊産婦さんも増えていることが分かりました。シーンによって付ける/付けないを使い分けている方もあります。
また悩んだ末に、切迫流産などの恐れもある出血や急激な腹痛、破水など緊急時に備えて付けることにしたという声もありました。確かにマタニティマークがあれば、妊娠中ということが示せて救急対応の処置が適切に、速やかに行われやすそうですね。
医師の観点からも、マークはおすすめだそうです。さらにいえば、あわせて母子手帳を必ず持ち歩いておくことが大切なのだとか。リスクへの備えとして、ぜひ実践してください。
マタニティマークで発生するトラブル、懸念されるマイナス面は、主に一般との認識のズレにあると考えられます。もちろん理由なく優遇を強いるのは慎まれるべきですが、妊娠中の体はとってもデリケート。助け合うことが必要ですし、付けることで緊急時に備えるという意味合いも重要なポイントのひとつでしょう。
大半の人はやさしく見守ってくれる、助けてくれるのが本当でも、情報としては悪い話が大きく強く伝わりやすい傾向もあります。一部の嫌がらせを恐れすぎず、本来の趣旨で活用したいですね。
そうしたマタニティマークを安心して付けられる社会を目指し、それを応援する男性主体のマークが誕生したり、サポートしたい人と妊産婦さんをつなぐアプリが開発されたりと、さらに新しい潮流も生まれてきています。
よりポジティブなイメージが広がってやさしさがつながる、良い循環が生まれる、そんなマタニティマークをめぐる動きになっていってほしいですね♪自然に気配りができて助け合える――誰もが生きやすい世の中も、そうした小さな積み重ねから実現されていくのではないでしょうか。
(画像は厚生労働省「マタニティマーク」紹介ページより)