2019.1.23

炒り大豆だけじゃなかった!節分豆まき事情

もうすぐ節分!みんなはどうしてる?

こんにちは!「志木のママさんを応援!」ステキライフ編集部です♪

年末年始と慌ただしい日々が少し一段落したと思えば、もう2月が目前。2月といえば、節分ですね。近年は恵方巻きが話題になることも多い節分ですが、子どもの頃を思うと、やっぱり「鬼は外!福は内!」と豆まきを楽しんだ思い出をもつ方も多いのではないでしょうか。

今も、毎年なんとなく豆まきは続けているけれど、そもそもなぜ“豆”をまいて鬼退治なの?年にあわせた数を食べるというけれどどう数えるんだっけ?由来を聞かれても、子どもに説明できないな・・・(^_^;)暮らしに根づいた風習だからこそ、よく分からないことも多いですよね。

一方で、ご近所に迷惑になってもいけないから、マンションだからなど、豆まき自体が難しくなっている現代事情もあるようです。たくさんまかれると、後の掃除が大変というのも正直なところで・・・(苦笑)。

そこで今回は、節分がもっている本来の意味・由来、豆まきについて、さらにリアルな最新トレンドまでカバーし、まさにちょっと役立つ“豆知識”としてまとめてみました♪ぜひこの機会にチェックして、家族で迎える今年の節分をもっと楽しく、ひと味違うものにしてみてください☆

 

 

 

節分とは?

「節分」は書いて字の如く“季節を分けるもの”であり、いわゆる二十四節気五節句などの暦日に加え、より季節の移り変わりをつかむために設けられた特別の節目となる日で、各季節の始まりの日の前日を指しています。つまり、この意味からすると2月だけではなく年に4回あり、それぞれ立春・立夏・立秋・立冬の前の日になりますね。

昔は、こうした季節の節目には邪気が入ってきやすいと考えられていて、そこから魔除けや厄払いを行うようになったようです。節分として2月3日が特別に定着しているのは、旧暦の場合、新年は春からスタートとなっていたため、立春がより特別性の高い日となり、その前日である2月3日頃の節分は大晦日に相当すると意識されていたからなのです。

そして大晦日は“年越しの日”であり、地域によっては今も節分を「年越し」、「年取り」と呼んでいるそうです。この「年取り」というとらえ方には、誕生日にかかわらず、新年にみな年をとるという考え方があり、生まれた年を1年、1歳とする=今の満年齢に1を足す、いわゆる「数え年」の風習も生きています。ここから豆まきの後に食べる豆の数は、満年齢より1つ多い数となったようですね。

日本の節分のルーツは、平安時代の宮中行事である「追儺(ついな)」や「鬼やらい」にみることができ、鬼役の方相氏が手下役の役人とともに宮中の厄払いをしてまわっていました。当時は悪い鬼を払う良い鬼、鬼神とみなされていましたが、9世紀頃から疫病を象徴する悪ととらえられるようになり、世に流行る病を封じるため、弓矢で追われる存在になったそうです。

より古い起源は暦・行事として、やはり中国にみることができ、豆まきも中国の明の風習から、室町時代に日本へと伝わりました。中国から伝わった文化が、日本の宮中文化や自然に対するとらえ方などと融け合うようにして、「節分」行事が広がっていったのですね。

 

豆まきでなぜ厄払いができる?

こうして2月3日の節分ができあがっていったわけですが、ではなぜ豆まきで厄を払い、福が呼び込めると考えられるようになったのでしょう。鬼が疫病や災厄を司る存在ということは分かっても、豆を当てて追い払えるというのも不思議ですよね。

これには、古来日本人がもつ、米、麦、ひえ、あわ、大豆の五穀に穀霊が宿るとする信仰が影響していて、豆などの穀物には生命力と魔除けの呪力があるとされたことが、まずもとになっているとされています。

現在も清めのために米をまく「散米」という習わしがありますが、豆は米よりもさらに大きいので、より多くの精霊が宿る、より邪気を払うパワーが強いことから、この特別なときには豆まきをするようになりました。

さらに語呂合わせで「まめ」は「魔目」に通じ、鬼の目に投げつけて鬼を滅する「魔滅」ともなるという意味合いから、豆をまくようになったのだともいわれているそうです。こうして鬼が活動を始める夜に豆をまき、魔除けをする、無病息災を願い、厄を落として福を呼び込む、そうして新たな年、新しい春を迎えよう!となったのですね。

豆まきの方法は地域や家庭によって、伝えられている風習に違いがあるようですが、一般的なスタイルでは、鬼が出入りする鬼門となる北東の方角を意識し、北東でまく、またはその対極にある南西から始めて北東にむけてまいていくことで、鬼を追い出すとされます。また、家の一番奥の部屋から玄関に向かって進み、家の内部から追い払うという方式も広く行われているそうですよ。

 

どうして炒り大豆?大豆じゃない地域も!

豆まきに使う豆といえば、炒り大豆でなくては!と思っている方も多いかと思われますが、なぜ“生”ではだめなのでしょう。これは「豆を炒る」が「魔目を射る」に通ずるからで、炒ってこそ(射てこそ)邪気を払えると考えられたからのようです。

また、拾い忘れたときに生の豆では芽が出ることも考えられますよね。それは邪気や悪霊が芽生える、縁起が悪いことだとつながるため、あらかじめ炒っておくことでそれを防いでいるという説もあるそうです。

さらに面白いことには、炒り大豆をそもそも用いない、違う豆を使うのが本来だとされている地域もあるのだとか!調べてみると、意外に「落花生をまく」という方が多く、日本地図の分布でみると、北海道から東北、信越地域は圧倒的に落花生派が多数となっていました(゚Д゚)ノ

雪の多い北の地域だけでなく、南九州にも落花生派多数の地域があり、鹿児島と宮崎に落花生をまく家庭が多いのだそうです。ちなみに落花生といえば!の名産地である千葉は、大豆派でした(笑)

なぜこれらの地域で落花生が用いられるようになったのか、それはいつ頃からなのか、確かなことは分からないということでしたが、北海道では国内生産が増大した昭和30年代頃から落花生をまくようになってきたとか。

雪の多い地域では、外の雪中にまいた炒り大豆をひとつひとつ拾うのはとても大変で、それに比べると落花生ならぐっと拾いやすく、後で食べることを考えても、殻に入った豆の方が衛生的だからといった事情が理由として考えられているそうです。

では、南九州は?というと、産地だから豊富にあるという理由が有力なようで、千葉はどうなの??となってしまいますが、そこは地域の考え方なのかもしれませんね。

 

現代にあわせて多様化も

こうした地域性もある節分の豆まきですが、最近は雪の多い地域以外でも、まいた後の片付けのしやすさや衛生的そうといった合理的な理由に、手に入りやすい、食べて美味しいなどの要素も加わって、落花生をまく家庭も増えてきているそうです。

たしかに、小さな子どもやペットがいて、拾い残しの豆が心配だったり、たくさんまいて散らかされると後の部屋が大変で・・・といった事情だったりは、うんうんとうなずいてしまうところです(^^ゞ

もはや豆ならなんでもといった流れもあり、アーモンドやピスタチオといったおうちもあるとか。小袋に入った豆菓子や駄菓子をそのまままくという声もあり、これなら落花生以上に拾いやすくて簡単♪子どもも喜びやすいかもしれませんね。

このほか変わったところでは、小さいときからウグイス豆をまいていたという方やミカンをまくという家庭、新春のお祝いの意味からかご縁があるようにティッシュに包んだ五円玉も一緒にまくといった方もありました。

いかがでしたか。調べれば調べるほど、思った以上に奥深い「節分」。伝統派も、今の住宅事情などを加味したトレンド派も、今年はその意味や多様性を学びながら、楽しんでみると味わい深いかもしれません。

(画像は写真素材 足成より)

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