予防接種は、私たち自身や大切な人々を重篤な感染症から守るための1つの手段です。
それはママ・パパが守りたい子どもにも有効です。
しかし、「副反応」という言葉を聞くと、漠然とした不安を感じる方も少なくありません。
こんにちは!ステキライフ編集部です💕
この記事では、予防接種によって起こりうる副反応についてまとめました。
種類、頻度、対処法を科学的根拠に基づいて分かりやすく紹介します。
副反応について正しく理解することは、安全に感染予防することにつながります。![]()
予防接種のメカニズムと副反応について
◆ 予防接種の目的は?
予防接種(ワクチン接種)の目的。
体が速やかに強力な抗体を作り、重症化を防ぐことができます。
体に病原体(ウイルスや細菌など)の一部や毒性を弱めたものをあらかじめ体内に取り込もことで、
免疫システムに病原体を記憶させることができます。
これにより、実際にその病原体に感染した際に、
体が速やかに強力な抗体を作り、重症化を防ぐことができます。
◆ 副反応とは?
「副反応」とは、ワクチンを接種した後に、免疫をつける目的以外の原因で、
接種部位や全身に起こる好ましくない反応のことです。
体が異物であるワクチンに反応して免疫を構築する過程で起こる、一時的な生体反応であることがほとんど。
アレルギー反応や薬の副作用と混同されがちです。
しかし、これらは薬の成分や添加物に対する反応であるのに対し、
副反応は免疫誘導の過程で起こる炎症反応などが主な原因となります。
副反応の種類と症状
副反応は、主に「局所反応」と「全身反応」。そして「稀な重い副反応」の3つに分類されます。
◆ 局所反応(接種部位の反応)
最も頻度が高い副反応で、通常は接種後数時間~翌日に現れ、数日で自然に治まります。
局所反応(接種部位の反応)
| 症状 | 内容 | 頻度(目安) |
| 発赤(ほっせき) | 接種部位の皮膚が赤くなる | 非常に高い |
| 腫脹(しゅちょう) | 接種部位が腫れる | 高い |
| 疼痛(とうつう) | 接種部位の痛み、触れると痛む | 非常に高い |
| 硬結(こうけつ) | 接種部位が硬くなる | 中程度 |
◆ 全身反応(体全体の反応)
局所反応の次に頻度が高い反応で、体が免疫を作り始める際に起こる全身の炎症反応によるものです。
全身反応(体全体の反応)
| 症状 | 内容 | 対処法(推奨) |
| 発熱 | 微熱(37℃台)~高熱(38℃以上)。倦怠感を伴うことが多い。 | 安静にし、水分補給。必要に応じて解熱剤(アセトアミノフェン等)を使用。 |
| 頭痛 | ズキズキとした痛み。 | 冷却や市販の鎮痛剤で対処。 |
| 倦怠感 | 体がだるく、疲れやすい。 | 無理せず休息を取る。 |
| 消化器症状 | 吐き気、嘔吐、下痢など。 | 消化の良いものを摂り、水分を補給。 |
これらの症状も、通常は接種後1〜2日で消失します。
◆ 稀な重い副反応(注意が必要な反応)
発生頻度は極めて低いものの、注意が必要です。
接種後の経過観察期間(主に30分以内)に起こりやすいものです。
・ アナフィラキシー
・ 症状: 接種後、数分から数十分以内に起こる、じんましん、咳、呼吸困難、血圧低下、
意識障害などの急速な全身性アレルギー反応。
・ 頻度: 極めて稀(例:インフルエンザワクチンで100万接種あたり1~数件)。
・ 対処: 医療機関での迅速な治療(アドレナリン注射など)が必要です。
このため、接種後しばらくは医療機関で待機することが強く推奨されています。
・ その他の稀な重い副反応
ワクチンによって異なりますが、代表的なものとして以下があります。
・ けいれん(熱性けいれんなど): 小児に見られることがあり、通常は予後良好です。
・ 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群: ごく稀に報告される神経系の疾患。
これらの重い副反応の発生リスクは、ワクチンを接種せずに感染症にかかることによる重症化のリスク(例:麻疹による脳炎、ポリオによる麻痺)と比較して、遥かに低いことが科学的に確認されています。
3. 副反応が出た時の対処法と心構え
接種後の「観察期間」を厳守する
接種後30分間は、医療機関内またはすぐに連絡が取れる場所に待機することが非常に重要です。
アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応は、この時間帯に発現することが多いため、
迅速な対応が可能です。
・ 一般的な副反応への対処法
・ 発熱・痛み: 脇の下や股の付け根を冷やしたり、医師・薬剤師に相談の上で、
アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を使用します。
・ 接種部位の腫れ・痛み: 患部を冷やします。保冷剤などをタオルに包んで使用すると良いでしょう。
・ 医療機関を受診する目安
以下の症状が見られた場合は、速やかに接種した医療機関またはかかりつけ医に相談・受診してください。
・ 発熱が3日以上続く、または解熱傾向が見られない。
・ 症状が時間とともに悪化している。
・ 接種部位の腫れや痛みが、日が経つごとにひどくなっている。
・ 高熱や強い頭痛、嘔吐など、日常生活に支障が出るほどの症状がある。
・ 呼吸困難、顔面や唇の腫れ、全身のじんましんなど。
アナフィラキシーを疑う症状が出た場合(一刻も早く救急車を呼ぶか、緊急性の高い受診を)。
◆ ワクチンの安全性を理解する
ほとんどの副反応は軽度で一過性であり、時間が経てば自然に治まります。
日本の予防接種制度では、重い副反応に対しては「予防接種健康被害救済制度」が設けられています。
これは、稀ながらも発生する健康被害に対して迅速に救済を行うための公的な制度です。
まとめ:正しい知識が安心につながる
予防接種は、感染症のパンデミックを防ぎ、個人を重症化から守るための手段です。
「副反応」は、体が免疫を獲得するために頑張っている証拠。多くの場合、軽度で済みます。
副反応への不安から接種を控えることは、感染症にかかるリスクがあります。
また、その結果として起こる重篤な合併症のリスクを高めてしまうことになりかねません。
副反応について正しく理解し、接種前に医師とよく相談しましょう。
接種後の体調変化に注意を払うことで、ワクチン接種を考えていきましょう。




